ぼやかないつもりのメモ(ブログ Ver)

つぶやきとメモの記録。更新はぼちぼち。

続・素振り

中澤先生からコメントをいただけたので,もう少し補足というか小学生向けにどうすればよいかをちょっと考えてみました.

小学生にとって,素振りの時に打点を意識することはとても難しいらしい(先日,雨の日に子供たちに聞いてみたら,打点をポイントで意識できている子は1人か2人しかいなかった)。ゆっくり正しい素振りというのも難しいらしく,娘に今朝やらせてみたらできなかった。自分の身体の動きに十分に自覚的でないのだろう。

http://phi.med.gunma-u.ac.jp/memo/20070718.html

おそらく以前にもキャッチボールの方法のようなことで同じ事を言われたと思いますが,今回はせっかく小学生からの結果が返ってきているのでそれにあわせて素振りの練習について説明していきたいと思います.ここで,素振りのための練習というのはちょっと聞こえが悪く,誤解を招きそうですが,あくまでこれらは最終的にきちんとしたバッティングに繋げるためのステップとして,普段抜けている部分を補うものと考えてもらえると助かります.「打点の意識」は,左右の打ち分け(大人向けか…),調子が悪いときに立ち直るきっかけとして役に立ち,「正しいスイングの仕方」を体の動きとして覚えることは,常に調子を高い位置で保ち,調子が悪いときに確認する元になると思います.小学生にはとても難しいことだとは思いますので,一気に理解,習得を目指さず,理解しないまでも意識を持つことや,知っているということは将来の大きなアドバンテージになると思って長い目でみながらというスタンスが必要となる気がします.今回は素振りの練習のため,別のアプローチを考えてみました.

打点

まず打点ですが,野球はバットが重いので,振り始めから振り終わりまで「えいやっ」と一緒くたにしてしまうことが考えられ,意識することは大変でしょう.1人でも2人でも意識している子がいることはすごいことかもしれません.しかし,それでも「打つ」動作に対して打点が重要であることに疑いの余地はありません.
そこで打点を理解してもらうために,ティーバッティングをオススメします*1.まずは当たる(当たった)瞬間の感触を聞いてみるなどして,打点という言葉を使わずに打点を匂わすのはどうでしょうか.打点という言葉で伝えるよりも彼らも実感できると思います.その感触があった瞬間こそがボールとバットが当たった瞬間で,その場所が打点だと後で教えればよいと思います.1回スイングごとに確認して,10回交代などでみなで確認してみてはいかがでしょうか.これはたくさん振ることが目的ではなく,「打点を知る」ことが目的ですから5回くらいでもいいかもしれません.意識できる子には「ボールの飛ぶ方向」と「バットの向きや感触」について聞いてみるのもいいかもしれません*2

ゆっくり素振り

次にゆっくりとした素振りですが,これは本当に難しいと思います.1対1で指導して,ちょっとずつ覚えていくしかないかもしれません.テニスでやっているときは,プロの連続写真なんかをみていました.連続写真ごとの体の形を真似,それを次々に変えていくことから始めました.同じようなアプローチでいかがでしょうか?また,普通のバットはこの際使わずに,カラーバットに統一してやってみたほうがいいかもしれません.カラーバットが無いときはラップの芯なんかでもいいと思います*3.ちょうどコメントに「自分の体の動きに十分に自覚的でない」とありましたが,むしろその状態から自覚的にする訓練だと思います.最初に自分の体の動きを自覚するまでにきっと時間はかかると思うので,こちらは打点よりももっと長い目でみてあげてください.ゆっくり3回素振り*4→普段の素振り→3回とか5回のゆっくり素振りなどではどうでしょう?

打点2

ここから先は小学生を超えたレベルなのかもしれませんが,一度打点の感触を覚えてしまえば,通じる子もいるかもしれないので一応書いておきます.当たる瞬間を意識させた次は「場所」です.内角や外角,高めや低め,それぞれの位置に配置して打点とバットの向き,ボールの飛ぶ方向を「教えてあげましょう」.小学生で出来ることではないと思いますが,知識として知っていても問題は無い気がします.知っているだけで,頭で理解するのはずっと先でも構わないと思いますが,こういう訓練を続けていることで理解するまでの時間,理解したときのバッティング力の向上は計り知れないと思います.
ぼくはテニスをやっていたので,あくまで以上はテニスからヒントを得たものです.野球に転用するには難しい面も多々あると思いますが,通じる点も多いと感じています.ご存知の通り,テニスは打ち分けどうしても必要なスポーツです.なので振り方を教えるときに同時に打点についても必ず教えます.理解できない,やれないのは仕方がないのですが,知っておかないと狙い通りのボールを打てないからです.必然的に小さい子にも打点という言葉は使わなくても必ず意識させます*5.テニスをやる子に出来て野球をやる子に出来ないとは思えないので,少しだけ匂わせてみるのはいかがでしょうか.

*1:トスバッティングはボールが動くのでオススメしません.打点を意識してからでいいと思います.

*2:これは高度すぎるでしょうが…

*3:家の中でできます!

*4:もちろん,正しく出来た回数ですが,そのとき出来る最大限の綺麗な素振りでかまいません.

*5:ボールを持ってあげ,ラケットを打点において,ここで打つのだと伝える方法が多いと思います.