ぼやかないつもりのメモ(ブログ Ver)

つぶやきとメモの記録。更新はぼちぼち。

SARS

中澤先生のところからリンクされているので、もう一度考えてみましたが、井上先生の仮説に対して紹介されたときと考え方が変わりました。以下にちょっと*1説明を書いておきます。これはあくまで私見です。まず言葉の確認として、感染とは、ある感染症に罹り、その感染症を伝播させうる状態にあることをさすとします。感染するためには、virusに曝露して、virusが体内で増殖する必要があります。感染、曝露、増殖という観点から僕はSARSを次のような感染症だと思っています。

曝露
SARS virusへの曝露は「衛生状態の悪い場所での経口感染」と「飛沫感染」により、どちらかと言えば経口感染が主流となっている。
増殖
増殖は腸で主に起きている*2

そして、次の二つの仮説がなりたつと考えています。

靴脱ぎ仮説
屋外からのvirusの持込を減らし、経口感染のリスクを減らすことから、靴を脱ぐ国では伝播しづらい。
唐辛子仮説
別に唐辛子にこだわっているわけではないが、辛いものはどうも腸内でSARSが増殖するのを防いでいるようだ。

靴脱ぎ仮説は、日本や、韓国でSARSが広がらなかった理由として考えられ、唐辛子仮説は中国の湖南省*3やYanji*4で広がっていない理由として考えた。
長らく言葉にしてまとめていなかった事もあるのだろうが、僕はこの曝露と増殖をごちゃ混ぜにしてしまっていた。先日、中澤先生に紹介していただいた、井上先生の仮説は曝露について扱っているわけだが、頭の中で曝露と増殖がごちゃ混ぜになっているから、この仮説は湖南省の現象を説明できないなんて、中澤先生に言ってしまったのだ。冷静に考えると、湖南省では唐辛子仮説があてはまるものの、これは曝露を防ぐものではない。曝露しても、増殖を防ぎ、感染に至らず、流行しないというものなので、井上先生の仮説を否定する理由にはなりえない。
まぁ、だからといって、中澤先生も書かれているように、思いつきの域を出ないとは思う。この仮説を元にモデルを立て、検証した論文でも出れば、もう一度確認したい。

*1:長いけど

*2:他の場所に着いては知らない。

*3:中国でもっとも食べ物が辛いといわれる地域。湖南省出身者に聞くと、数例の感染例が出たが、それらの人は北京での感染が有力だそうだ。

*4:朝鮮族が多く住む。朝鮮族は靴も脱ぐし、辛いものも大好き。僕と話したとき、彼らはSARSがYanjiで流行しなかったのは辛いものを食べるからだと信じていた。